メダルを電子化したスロット「スマスロ」が人気です。大きな爆発力のある機種もあることで話題にもなりますが、実はパチンコホール側としてはその導入にかなりの負担がかかっています。それがスマスロのデメリットとしてユーザーにも影響が生じることを心得ておく必要がありそうです。
この記事では、「スマスロとは」「スマスロと従来のスロットの違い」「スマスロのデメリット」にフォーカスを当てて解説します。
目次
スマスロの特徴
スマスロ(スマートスロット)とは従来のスロットと異なり、メダルを使わずに遊べるスロットのことです。2022年11月21日から導入が始まりました。
物理的なメダルをなくして電子データ化することで、メダル投入や計数の時短につながることが期待されます。ほかにも有利区間がなくなる、出玉性能が上がるといった特徴もあります。
スマスロは筐体も従来とスロットとは異なり、計数ボタンや電子情報をやり取りする専用ユニットが装備されています。
スマスロと6.5号機の違い
スマスロが6.5号機と大きく違うのは有利区画上限がないことです。
差枚数2,400枚の規制はスマスロにもありますが、6.5号機に設定されている有利区画ゲーム数4,000Gがスマスロでは撤廃されています。
そのため有利区画リセットのタイミングは自分で決めることができ、次の有利区画発動後に高継続率や強力な上乗せゾーンの発動などができるようになりました。
そのほか、6.5号機と6.4号機までのスマスロとの違いは以下のようになっています。
6.4号機まで | 6.5号メダル機 | 6.5号スマスロ | |
有利区間上限枚数 | 2,400枚 | 差枚で2,400枚 | 差枚で2,400枚 |
有利区間ゲーム数 | 1,500〜3,000G | 4,000G | 無制限 |
コンプリート機能 | 非搭載 | 非搭載機種もあり | 搭載 |
スマスロの遊び方
スマスロは専用ユニットに紙幣を投入し、貸出ボタンを押すとメダルが遊戯台に補充されます。メダルが補充されたら『MAXBETボタン』を押してレバーオンすれば開始します。
遊戯を終える時は『計数ボタン』を押して持ちメダルを専用ユニットに移します。『返却ボタン』を押せば持ちメダルが記録されたICカードを受け取れます。
あのパチスロ北斗の拳も新作がスマスロで登場するなど、どんどん移行が進んでいるようです。北斗の拳 スロット 歴代のリストにも追加しましたので、気になる人は見てみて下さい。
スマスロの利点
スマスロは物理的なメダルを使わないため、新型コロナが蔓延していた中で感染予防としての利点が挙げられました。またメダル使用によるホッパー関連エラーやセレクター関連エラーがなくなることもスマスロの利点となります。
これらはいずれも遊戯環境としての利点になりますが、肝心のゲーム性におけるスマスロのデメリットや導入するパチンコホール側のデメリットも課題になっています。
スマスロのデメリット
スマスロにはどのようなデメリットがあるのかをご紹介します。
メダルの消化が早い
スマスロは多くの機種でメダルの消化が早いという意見があります。物理的なメダルを使わずにデータ処理するため、吸い込み速度が速くなるのは当然です。
また、たとえば『北斗の拳』の場合は従来のスロットは5,000枚出すのにかかる時間は1時間ほどですが、スマスロは2時間近くかかるとされています。
それだけ吸い込みが早くメダルの消化スピードは2倍ほどになっている計算です。当たりが出る前に資金が枯渇するユーザーが多いことがスマスロのデメリットと言えます。
コンプリート機能によるデメリット
スマスロにはすべてコンプリート機能が搭載されています。これはメダル獲得枚数を最大で19,000枚に制限するものです。
しかも台のメダル差枚数が1番マイナスになったところが基点となる設定になっています。たとえば最大マイナスが3,000枚であれば、16,000枚でコンプリートするということです。
コンプリート機能が発動すると打ち止めとなり、その日はその台が使えなくなります。
コイン単価が高い
スマスロは荒いという意見もよく聞かれますが、これはコイン単価の高さが理由のようです。
スマスロの第一弾として導入された『ヴァルヴレイヴ』はコイン単価4.5円とかなり高く、これがスマスロの荒さを印象づけている感じです。
パチンコホールの倒産につながる可能性も
ユーザーには人気のあるスマスロですが、その導入コストが高いことからパチンコホールには大きな負担になっています。
スマスロ遊戯台の定価は1台が税別で60万円にも迫る価格となり、レンタル料金も月に10万円のメーカーがあるなど価格が高騰しています。
さらにユニットや通信機器などの設置も含めると1台を導入する工事費は100万円を超えるケースもあるようです。資金力のあるパチンコホールは対応できるものの、中小ホールは難しく業績が悪化するホールも増えています。
2023年9月までにパチンコホールの倒産は25件あり、スマスロの普及により資金力の二極化がさらに進むと見られています。
設定が厳しくなる
パチンコホール側としては導入コストがかかりますが、集客力があるためスマスロ導入を検討することになります。そこでコスト負担を回収するために、スマスロによるお客への還元率は低めに設定せざるを得ません。そのため設定を厳しくすることも考えられます。
特に資金力に乏しい中小ホールの場合、スマスロを導入しているお店ではユーザーがなかなか投入資金を回収できないと考えておくとよいでしょう。
スマスロのデメリットについて まとめ
スマスロには一見するとメリットが多いように思えますが、実際には課題も多いことがわかります。大勝ちするユーザーがいる反面、多くのユーザーが損失を出していることから高いボラティリティと低い還元率という構図が見えてきます。
1番のスマスロのデメリットはパチンコホール側のコスト負担にあると考えてよいでしょう。その結果としてユーザーからみると、一部の人は大きな当たりを出す一方でほとんどのお客は投入資金を回収できないことになります。